ガンディーニとマセラティ
世界中に多くのファンをもつカーデザイナー、マルチェッロ・ガンディーニが2024年3月13日に亡くなった。享年85歳であった。数多く、それも実用車からスーパーカーまで、幅広い名車を描いたガンディーニだが、マセラティのスタイリングも多く手がけている。今回は氏への追悼の意を込めて彼が腕をふるったマセラティ各モデルを紹介してみよう。
Khamsin - カムシン
1973年にギブリの後継車としてデビューを飾る。ベルトーネ=マルチェロ・ガンディーニによるウエッジシェイプの特徴的なボディは1800mmを超えるワイドな車幅をもつモダンなもの。小さな後部座席を持つ2+2で、ラグジュアリーなインテリアがおごられた。
後方視界向上のため、テールライトが取り付けられるリアパネルが透明なガラスで作られたのが特徴的だ。LHM(鉱物系油圧作動油)油圧システムがブレーキ、クラッチの他、パワーステアリングにも採用され、シトロエン流のクイックなセルフセンタリングのシステムには賛否があった。生産途中に放熱の改善の為、エンジンフードにグリルが追加された。またオプションで選択することができた3速オートマチックトランスミッションが装着された個体も多い。
当時、北米で排ガス規制が激しくなりイタリアのハイパフォーマンスカーの対米輸出は難しくなったが、マセラティだけは各種改良により正規輸出を継続することができた。
それと同時に北米では衝突時の衝撃を吸収するいわゆる“5マイルバンパー”の装着が求められ、北米仕様のリアは大きくモディファイされた。
Shamal - シャマル
北米マーケットから撤退し、よりニッチなハイパフォーマンスカー路線へと向かっていたマセラティは、カリフに続いて新開発V8エンジンを搭載したシャマルを1989年に発表した。ホイールベースはスパイダー及びカリフと等しいが、後部のボディシェルはストレッチされリアサスペンションも新規に開発された。ガンディーニによるアグレッシブなスタイリングはビトゥルボ系の後継モデルであるギブリⅡに継承された。新開発V8エンジンは3.2L 32バルブツインターボ、326bhp/6000rpm、44kgm/4400rpmのパフォーマンスを発揮した。
Ghibli Ⅱ - ギブリⅡ
1992年にデ・トマソ・マネージメント時代の最後のモデルとして発表されたのがギブリⅡである。1966年に発表されたジウジアーロによる名車ギブリの名前がここに再び復活した。ビトゥルボの発展形の2ドアクーペ、222.4Vのリファイン版でもあり、222系のボディをベースにフロントマスク、フェンダーまわり、リアまわりがリスタイリングされた。生産が進むにつれて頻繁に仕様変更が行われながらも日本市場では6年間に渡り販売された。ワンメイクレース“ギブリオープンカップ”が開催され、レースにちなんだ限定モデル、ギブリカップもラインナップされた。
Quattroporte Ⅳ - クアトロポルテⅣ
1994年に4代目のクワトロポルテがデビューを飾った。ビトゥルボ系シャーシの発展系であり430の後継モデルともいえるが、スタイリング面のみならずエンジニアリングにおいても多くが新規設計された。快適性、操縦安定性を考慮して、リアのサスペンションおよび駆動系などがアップデートされた他、安全性も考慮され、マセラティ初のエアバックが採用された。
スタイリングはガンディーニの手によるもので、リアホイールアーチのラインが特徴的である。エンジンはギブリⅡとほぼ同様のチューンによるV6 2,8L 24バルブDOHC ツインターボが搭載される。
1996年にはシャマルに搭載されたV8の3.2Lエンジンが搭載されたOttocilindri(オットチリンドレ=8気筒)が追加されるとともに、より内装がゴージャスにアップグレードされた。オートマチックトランスミッションもZF製からBTR製へと変更になる。併売された6気筒モデルにも変更が加えられフロントフェンダーにSeicilindre(6気筒)エンブレムが追加された。
1998年にはフェラーリ・マセラティグループ入りとなったことで各部がアップデートされ、クアトロポルテ・エヴォルツィオーネと命名された。光沢あるブライヤーウッドやダッシュボード中央のオーバルウォッチが廃され、インテリアのイメージは大きく変わった。
ガンディーニのコンセプトカー
ガンディーニはこれらプロダクションモデルのみならず、正式なモデルとならなかったコンセプトモデルも手がけている。それがクアトロポルテⅡとチュバスコである。
Quattroporte Ⅱ - クアトロポルテⅡ
1974年のトリノショーにて披露された2代目クアトロポルテはシトロエンを最大限に利用したものであり、エンジンを含むシャーシの基本構造はシトロエンSMのキャーリーオーバーによるものであった。FFレイアウトを生かした3mを超える長いホイールベースが特徴であり、V8エンジン搭載のプロトタイプも製作された。ボディはベルトーネに在籍していたガンディーニの手によるもので、カムシンの持つ直線的なイメージを引き継いでいた。しかし、シトロエンの離脱によりデ・トマソ・マネージメントとなったことで、プロジェクトは消滅してしまった。
Chubasco - チュバスコ
1990年12月14日に行われた年末恒例のニューモデル発表会において突然、登場したのがチュバスコである。デ・トマソがマングスタ等で採用してきたセンターバックボーン・シャーシをベースにシャマル用3.2L V8ツインターボエンジンを縦置きにミッドマウントしたもので、430psを発揮すると発表された。
スタイリングはガンディーニの手によるもので、当時、彼が関わっていたブガッティEB110などに通ずるモチーフが見られる。社内で製作されたモックアップの製作のみで、プロジェクトは残念ながら終了となってしまった。
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